
創りたいものを作る3~下和弘
続いてこちらのマグをご覧ください。今日のマグには、キノコが生えています。いえ、本物ではありません。ひとつずつ型を作って焼いて作ったれっきとした磁器。一つ一つのパーツを作るだけで気が遠くなりそうですが、創りたいものを作る下さんの情熱は、かなりのものです。
platinum circus mug 26-7
径10,0cm ハンドルまでの長さ14,0cm
高7,5cm キノコの上までの高さ 9,0cm
25,300円(税込)
このハンドルは、親指全体が乗るのでしっかりカップを持つことができます。
「 途中。まだ二時間は日がある。トリポリの上空にはいったときには、ぼくはすでにサングラスをはずしていた。やがて砂が金いろに光りだした。なんと地球上に、人影がまばらなことだ!またしてもぼくには思えるのだった。河や森かげや、人間の住居なぞは、幸運な偶然の結合にしかすぎないのだと。砂礫や岩石の領分が、なんとおびただしいことだ!
だがこうしたことはすべて、ぼくには無関係なのだ、ぼくは飛行の領域に生きていたから。夜が来るのがぼくには感じられる。寺院の中に閉じこもるようにして、人がその中に閉じこもる夜、人は夜の中に閉じこもる、それも特有な儀式の秘法に従い、救いのない瞑想裡に。見たまえ、邪宗の下界は、すでに影が薄くなってきた。やがて消えようとしているのだ。眼下の光景は、すべてまだ、亜麻いろの光線にはぐくまれてはいるが、はや何ものかが蒸発し去りつつある。ぼくは知らない、この時刻に値する何ものも、何ものも。説明しようのない飛行のよろこびを体験した者だけが、ぼくのこの言葉を理解するはずだ。」( サン=テグジュペリ作 堀口大學訳 『人間の土地』7.砂漠のまん中で より抜粋 )
作品のお問合せ、ご購入は、こちらへどうぞ
e-mail: yoara@tojiki-tachibana.com
phone: 03-5483-8286