
中里浩子展―Bloom―2日目
中里浩子さんは、横浜市生まれ。陶芸を京都市立芸術大学で学び、今は小田原の工房で制作、作家活動をしています。作品の印象はしなやかで可憐ですが、可愛さだけに目が行ったり甘くなり過ぎないのは、制作工程が構築的だったり釉薬に対して独自の取り組みをしているからかもしれません。
オブジェは植物がモチーフです。内側から膨らんだようなボリューム感は、植物の生命力がムクムクと湧いて今にもはじけそうな印象ですね。
左右対称ではない斜めのラインが、動きやスピードを感じさせます。




釉薬が流れて中心に集まっていく様子も、大自然の中にある川の流れや溶岩の流れを想像させます。


ニュアンスのある色の重なりが美しい作品です。
そして、うつわ。


花びらのかたちの、陶のはこ。

鑑賞する陶のオブジェも、使うことが目的の器も、味わいや雰囲気を残しつつ、それぞれの役割のポイントを押さえてバランスよく制作する作家。それが中里さん。
オブジェの楽しみ方は様々ありますが、たとえばサイズ感。 植物を虫眼鏡で見たときのカタチ、それが今、物体(オブジェ)となって目の前に! そんな感じで眺めてみる。大きさのギャップ。自分が小さくなって植物の中に入ってみたらこんな感じ??・・・あれこれ空想しながら見てみると、不思議さにわくわくしてきます。
そして器は・・・ギャラリーにいらしたらぜひ手にとって、裏をひっくり返したり、あちこちからじっくり見て触ってください。表の様子とはちがって、裏側では釉薬が、それその1点だけの一期一会の表情を見せているかもしれません。
陶芸の奥深さ、幅広さに思わずため息が出てしまう、中里さんの作品。
中里浩子展―Bloom―
2022年5月14日(土)~21日(土)
11:00-18:30(最終日は17:00) 会期中無休
*作家在廊日:5/14.15.16.19.20.21

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